太陽電池セル·モジュール鉛フリー化

摘要

太陽光発電システムは，発電時の環境への負荷が小さく，石油代替エネルギーとして注目され，官民を挙げての普及促進及び開発が行われている。 環境への影響が最も少ないことが注目されている理由の一つであるが，太陽電池セル及びモジュールを構成する部品には，その他の電子機器と同様に鉛はんだが用いられている。 とりわけ長期信頼性を得るためには，電極表面のはんだコーティングは欠かせない技術であった。 近年，産業廃棄物からの鉛の溶出による環境汚染が問題となってきており，環境保全策として電子機器の鉛フリー化が官民を挙げて進められている。 このような状況の中で三菱電機では，太陽電池セル及びモジュールの無鉛化に向けて数年前から取り細んできた。 殊に，太陽電池セルの電極材料の開発には3年以上にわたり取り組んでいる。 本稿では，電極材料及び太陽電池セル製造条件の最適化により実現した電極へのはんだコーティングを行わない太陽電池セル製造技術，太陽電池セルを相互接続する際に用いる材料に関して，鉛フリー化を検討した内容に関し紹介する。 これらの方法を適用した無鉛はんだ太陽電池モジュールが出力及び使用環境での耐環境長期信頼性の両面からも従来の鉛はんだを使用した太陽電池モジュールと同等であることを実証した。