IT時代の社会インフラシステム

摘要

インターネットを始めとするIT(Information Technology)技術の進展に伴い，電力·行政·交通·公共などの社会インフラシステムが構造的な変革を迎えている。ITとしての技術革新はブロードバンドを始めとして多岐にわたるが，根本的には，時間·空間·知識の共有が容易に可能になったため，ビジネスモデル，システムモデルへの大きな変革が起こっている点にある。特に社会インフラシステムは国民生活の基盤を構成するため，変革の方向は，社会全体の付加価値を創造し増大させるものでなければならない。 このような時代の変革に対し，三菱電機においては，ITの基盤技術開発からソリューションまたコンサルティング領域まで，広範囲にかつ真正面から取り組んでいる。 当社は，総合電機メーカーとして，これまで世に送り出してきた発電·系統変電などの電力システム，広域伝送ネットワーク，鉄道·交通システムや公共システムなどの物理的な社会インフラネットワーク構築技術を基に，セキュリティ技術や，データの統合·交換·共有·分析技術，また，システム構築·連係·高信頼化技術などITネットワーク構築による社会インフラシステムの付加価値創造を目指している。 また，同時に，これを実現するため販売から研究開発に至るまでのグローバルネットワークを構築し，研究開発にも鋭意取り組んでいる。 本稿では，当社のこれらの社会インフラシステムへのITソリューションの取り組み，技術，適用事例について述べる。