自動車用電子キーシステム

摘要

三菱電機は，自動車におけるドアのロック／アンロック時，及びエンジン始動時における利便性を向上させるため，従来のキーレスエントリーにおける無線通信技術を応用した電子キーシステムを開発した。 このシステムでは，カードキーをユーザーが携帯していれば，それを取り出すことなく，ドアハンドルに設置されたスイッチを押すだけで，ドアのロック，アンロックが可能となる。 また，鍵をステアリングコラムのキーシリンダに差し込まなくても，そこにあるノブを回すだけでエンジン始動が可能となる。さらに，ユーザーの携帯するカードキーと車載機との間の無線通信に，携帯電話の分野で実績のある当社オリジナルの暗号化アルゴリズム"MISTY"を採用することで，従来以上のセキュリティ性を確保した。 本稿ではまず，開発した電子キーシステムの概要について述べた後，当社が開発した自動車用電子キーシステムのシステム構成，このシステムが実現する6つの機能（スマートエントリー機能，スマートスタート機能，ノーマルキーレスエントリー機能，エマージェンシー機能，フールプルーフ機能，カスタマイズ機能），及びシステム性能を左右するカードキーとの通信性能について述べ，最後に，今後の展開について述べる。