溶湯処理鋳造アルミニウム合金の高サイクル疲労特性に及ぼすショットピーニング処理の影響

摘要

（1）洛渇処理による疲労特性改善は，内在する鋳造欠陥の大きさや数が抑制され，鋳造欠陥を起点とするものが減少したことによるものであった。 （2）溶湯処理を施したAC4CHにショットピーニング処理を施すことは，疲労特性改善手法として有効であった。特に疲労寿命特性を顕著に改善させた。 （3）ショットピーニング処理により疲労特性が改善された理由は，き裂進展挙動がショットピーニング処理によって変化（微小き裂速度の遅延など）したことによるものであった。 なおその要因はショットピーニング処理により表面近傍が塑性変形し，表面組織が微細化したことである。 （4）鋳造欠陥性状が改善されている溶渇処理材に対しショットピーニング処理を施す際には，未処理材にショットピーニング処理を施す場合よりもアークハイト値を低く設定しても，疲労特性を改善することが可能である。