我が国における地盤改良技術の変遷3．未改良の埋立地や低平地における地盤沈下への対応

摘要

終戦後の復興において，日本は埋立地や低平地などに産業団地を形成し産業振興を図って来た．しかしながら，埋立地や低平地の中には，軟弱粘性土地盤上に造成されたものも多く，当時の地盤改良技術力や，急速な社会の変化に合わせるため，地盤改良がされていないケースも多くある．このような場所では，今日でも地盤沈下が十分に収束せず進行しているケースも見受けられる．また，地盤沈下が収束するかに見えていた埋立地や低平地においても，特に地下水の汲み上げや嵩上げさらには地震動などの外力により，地盤沈下が加速するケースも見られている．本講座では，このような産業集積が図られてきた都市部における未改良の埋立地や低平地の現状と，地盤沈下を含むこれらの場所での課題を抽出し，その対応について示す．