ズワイガ二の種苗生産過程における第2ゾエア期幼生の 移槽方法と移槽による生残への影響

摘要

ズワイガ二の種苗生産過程において，第2ゾエア 期幼生の正の走光性を利用した，飼育水槽間の移槽 技術を開発した。ゾエアは，飼育水面上25 cmに設 置した300Wレフランプからの直射光と飼育水槽中 の水深25cmに設置した発泡ポリスチレン製の反射 板（30cm x 30cm)により効率的に蜎集し，別の水 槽へサィフォンで送られた。移槽時のホ一ス内の流速 を10cm/秒としても，移槽しない対照区および5cm/ 秒と比較して，幼生は移槽による損傷を受けず，移槽 後7日間のUビーカー内での生残率は低下しなかつ た。20W容量の大型水槽を用いてゾエアを移槽する と，移槽からメガロパまでの生残率は，移槽した水槽 で移槽しなかった水槽より約2倍に増大した。