機能性表示制度の特徴と展望（概要)

摘要

医食同源という言葉があるように，食品は健康 の維持増進や疾病予防に大きな役割を果たしてい る。それを明らかにしてきたの力人食品機能性研 究であり，農産物や食品の機能性研究においては, 機能性成分の探索，同定，分析，ェビデンス獲得， 作用メカニズムの解析や機能性成分を多く含む農 産物開発などを経て機能性食品が生み出されてき た。機能性を持った食品成分としては，食物繊維, ポリフエノ一ル類，カロテノィド類が主要なもの とされている。それらの研究成果としての機能性 食品は，特定保健用食品として機能性が表示され て販売されるカゝ，いわゆる健康食品として販売さ れている。新たな機能性表示制度の検討が規制改革の一環として消費者庁で実施され，2015年4 月から，事業者が責任を持って自主的な機能性表 示が可能とした制度（農林7_K産物も対象）がスタ —卜した。「機能性表示食品」リは，事業者の責任 で，科学的根拠（臨床試験，研究レビュー）を基 に商品パッケージに.機能性を表示するものとし て，消費者庁に届け出られた食品であり，健常人 や未病者の健康維持,増進にかかる部位表現も範 囲となった。農産物や低次加工食品の機能性表示 も認められているので，現在，農研機構で実施し ている機能性農産物開発を含めて想定される機能 性表示食品などを紹介したい。