食品衛生管理のための微生物増殖と殺菌についてのデータベース化と予測微生物学の導入

摘要

最近、HACCP（危害分析重要管理点）方式を中心とする、食品の安全性を高めるためのシステムの導入が国際的なレベルで行われてきている。 この原材料から流通、消費に至るまでのプロセス全体をカバーするシステムによって、製造される食品が衛生管理されていることが保証されなければ、産業界はもちろん国内外での社会的な信頼が得られない状況になりつつある。 このHACCPシステムの導入に相保って、より客観的、定量的に食品の安全性を評価し、また煩雑で全数検査が不可能な教生物検査よりも食品自体の物理化学的諸性状や温度管理などの製造工程条件を採用することの必要性から、欧米でほすでに予測微生物学と呼ばれる数学的手法が取り入れられており、活発に研究が進みつつある。 しかしながらわが国では、食品やそれに関連する業界の意識が先行しているもののHACCPの導入、普及の点で産、官、学各界の体制が十分に整っている状況になく、とりわけ行政の指導体制と基礎研究面で立ち遅れている。