21世紀一持続可能な社会を目指して

摘要

私が大学を卒業し，就職したのは昭和32年（1957年）でした。 当時は第二次世界大戦敗戦後の荒廃から立ち上がる意欲に燃えた時代で，工業製品も増加傾向にあり，発展の機運に満ちた時期でした。 しかし，その後，世界的な人口増加，資源、エネルギー消費の増大は，1972年ローマクラブから衝撃的な報告「成長の限界」が発表され，更に，石油ショックが大問題になった1973年を経験し，資源の有限性が注目されるようになりました。 しかし，一般社会では，より一層の成長を期待する楽観ムードが主流の時代でした。 この間にも，「成長の限界」の著者から，1992年「成長の限界一人類の選択」，2005年「限界を超えて一生きるための選択」など，「成長の限界」をフォローする研究成果が発表されています。 それらの報告では，数多くの世界モデルを検討した結果，「成長の限界は，世界人口と資源の幾何級数的成長、増加が根本問題である。 」と指摘しています。