食品企業の社会的責任(18): 魅力的な価値創造と社会的、経済的、環境的貢献 —成長市場における課題達成策

摘要

東日本大震災以降、わが国の政治経済機構また市民意識は大き<変わっていった。国政は民主党から自民党に移り、長く続いたデフレからようやく〃アベノミクス〃によるィンフレ成長への舵を取り始めている。しかし一方では、円安による輸入物価の上昇、同じ<原発稼働停止などによるェネルギ—費の高騰.復興特需と消費増税前の駆け込み需要で労務費の上昇など、損益は一部輸出関連企業を除くと思つたほど伸びていない。従って、利益は多少增ぇたもののコスト.経費の上昇も大き<、設備投資、基本給の上昇などには一一の足を踏んでいる企業も多い。また市民感覚でいうと、ボ—ナスは増えたが、食料品、日常品の値上がりで日常生活の改善には至つていないというのが現状であろう。中小企業も同様で、価格改定がなかなか進まず、輸出品(自動車など輸出競争力のある製品を除く)の伸び悩みと企業物価の上昇で景気回復の実感がつかめないというのが現実であろ0