イチゴの新型パックを用いた収穫同時パック詰めによる省力収穫調製法

摘要

イチゴ栽培は、他の作目と比較して親株養成および育苗から収穫終了まで約一五カ月の長期間を要し、栽培労働時間も非常に長く一〇a当たり二千時間を超えることが知られている。 その中でも特筆すべきは約半分の労働が十一月から五月の収穫およびパック詰め（収穫二調製）のために費やされている。 この労働の集中する収穫、調製作業については、古く一九六〇年代から問題視されており（六三～六四年の静岡農試の調査では現在と作型等がやや異なるが一〇a当たりの総労働時間が三千時間を超え、収穫、出荷に要する時間も千六百時間以上であった）、当時の高度経済成長に伴う労賃の高騰と求人難からこの部分の労働力が確保できず、増反不能または減反の止むなきに追い込まれた産地が多く生じた。 そこで、箱詰め、荷造りの省力化と同時に商品一価値の向上をねらって、現在のプラスチックパックを用いたバラ詰め、ダンボール外装の包装形態が研究、検討され、爆発的な普及を見た。 この包装改善により木箱を用いたそれ以前の包装形態と比較して収穫、調製の労力が約半分に節減されることが確かめられた。