食品産業における用水と排水の最新動向～水質悪化と高度処理化で拡大する水処理ソリューション～

摘要

食品工場では、使用される工業用水道の問題点として、近年、原水水質の悪化が問題となってきている。 工業用水は上水の様な高度な処理はされておらず、その水質規格値も、上水が「保証債」であることと異なり「目標値」であるため、貯水水質の悪化は、工業用水の水質悪化に直結する。 このため、ユーザーサイドにおける処理の見直しが急務となってきている。また井戸水を汲み上げて工場で使用している場合も、近年地盤沈下の懸念から大都市を中心として広範囲にわたった地下水の汲み上げ規制により制限がかけられるケースも出てきた。 加えて硝酸性窒素や亜硝酸窒素などによる汚染が顕著になってきていることから、従来に比べ高度な処理が必要になってくるものと考えられる。 従って、食品工業などの「用水」分野のなかで、原水に工業用水や井戸水を使用している場合も、上水同様に膜などによる浄水設備の導入が増加していくと考えられる。