最近の施設野菜の病害虫抵抗性品種

摘要

病害抵抗性には三つのタイプがある。 その道いをはっきり認識した上で、抵抗性品種を利用することが肝要である。 一つめは「感染阻止型」で、このタイプは病原菌の侵入を阻止する、あるいはごく一部の侵入は許すが、直ちにこれを封じ込め、全身が雁病するのを防ぐ。 抵抗性発現が安定しているため種苗カタログでは「抵抗性」と表記される。 二つめのタイプは「増殖抑制型」で、病原菌の侵入は許すが、その後の増殖を量的に抑えるものである。 増殖が量的に抑えられる結果、病気が個体全身に拡がり、さらに、集団へ蔓延するスピードが遅く、また、病徴も軽微となる。 カタログでは、「耐病性」と書かれることが多い。三つ目のタイプは「トレランス」型で、病原菌の植物体内における増殖は梶病性品種と大差なく、感染状態であるにもかかわらず、病徴が全く発現しないか、発現してもごく軽微であるものをいう。 トレランス型は、ウイルス病に対して多く見られる。 後述するトマト黄化葉巻病抵抗性のトマト品種は典型的な例である。 カタログでは、「耐病性」と書かれることが多い。