施設園芸経常の動向と経常管理

摘要

輸入自由化と兼業化の進展により日本農業は極めて厳しい条件下にあり、稲作、畜産、野菜、果樹いずれの部門においても、担い手経営の減少による生産力の低下が懸念されている。こうした状況の下でも、施設固芸は数少ない成長部門として展開してきた。 農業センサスによれば、過去20年間に施設園芸農家数は63％、同面積は151％と例外的な高い伸びを示している。 そこで、本稿では、まず施設園芸経営の過去20年間における動向およびその主な生産物である野菜と果実の流通動向を整理する。これを受けて、今後の施設園芸の担い手の一つのタイプとして期待されている大規模経営を取り上げて、その経営管理の特徴を明らかにするとともに、今後の課題を指摘したい。