ビヮ葉と茶葉のコラボによる美味しく， 機能性に優れた新規混合発酵茶

摘要

2005年に長崎県農林技術開発センター，長崎県工業 技術センターの公設試験研究機関，長崎県立大学，長崎 大学および九州大学の3大学が連携した「本県特産茶葉、 ビヮ葉の有効成分を活用した高機能性茶葉の開発」プロ ジェクトを立ち上げ，有効利用されていない長崎県産の緑茶の三番茶葉とビヮ葉を用いて，品質に優れ，機能性 を有するこれまでにない新たなお茶の開発に取り組ん だ.県農林技術開発センターが三番茶葉とビヮ葉を用い た製造試験を行い，味や香りに優れる発酵茶葉を開発し た.次に，県工業技術センターと共同でその発酵茶葉に 糖尿病予防や脂質代謝改善作用などの機能性を付与した 製品の開発に取り組み，動物実験とヒト試験でその機能 性が長崎県立大学と九州大学において実証され，また作 用メカニズムも明らかになった.さらに，機能性を発揮する成分が長崎大学で解明され，発酵茶葉の全容がほぼ 解明された.このように，本研究は官（県）と学（大学） が連携して取り組んだ全国的にも事例の少ないプロジェ クト研究で，美味しくて機能性を有する新たな発酵茶葉 の製造に成功した.さらに，商品化して販売するために長崎県農林部農産園芸課を中心に関係団体と連携して， 生産者による製造組織の「ながさき高機能茶有限責任事 業組合」と，販売業者による「ながさき高機能発酵茶普 及促進協議会」の設立を推進し，生産から販売までの体 制を整備して2009年10月から長崎県内を中心に「ヮンダーリーフ」の商品名で販売を開始した.