ェコス卜ープの活用で'里山'を見直そう一広島県庄原巿総領町在住の和田芳治さんを訪ねて

摘要

グローノ、リレな経済システムに組み込まれる中で，「仕 方がない」とあきらめていた支出を疑い，減らしてい けぱ「豊かさ」を取り戻すことができ，経済が我々の ものになっていくという『里山資本主義一曰本経済は「安心の原理」で動く』（藻谷、 NHK広島取材班， 2013)という本が出版された。この中で，『二十一世 紀の新経済アイテム「ェコス!^一プ」』の文章が筆者 の脳裏に焼きついて離れない。ここでいうェコスI^一 プとは18-20Lのペール缶の側面に径120mmのL 字型のステンレス製煙突が付けられたもの（写真①） で，乾燥した30cm程度の木の枝4-5本で2-6 合のご飯を炊くことができ，他の薪ス卜ープの6割程 度の燃料で済む（和田.2014)優れものである。広島県庄原市総領町在住の和田芳治氏は自宅の裏山か ら木の枝を集め，毎朝ェコスIプでご飯を炊き，各 地にてェコスI-"一プ講習会を開催されているという。 筆者は「くまの木里山応援団」として，栃木県塩谷町 にある廃校校舎を活用した宿泊型体験施設『星ふる学 校「くまの木」』の裏山のコナラ林等の手入れボラン ティ^ァを実施しており（市川，2011),丸太は薪とし て^員が活用しているものの，枝はクヮガタの粜用な どとして林内にまとめていただけであり.枝の活用方 法を模索しているところであった。「ェコス!^一プで あれば，伐採や強風等気象害で発生する枝の活用が図 られ，さらにおいしいご飯まで炊けるのではないか」 と気がつき，居ても立っても居られなくなった。そこ で，和田芳治氏に一度ご自宅を訪問してもよいか手紙 をしたためたところ，快くお受けいただいた。