『人類の薄明』における詩人の肖像画－ココシュカ、レームブルック、シャガール、シーレなど一

摘要

表現主義の詩人カール、オッテンは20世紀初頭のヨーロッパの芸術潮流について「それまで分離していた諸芸術が融合するという驚異的な現象が生じた。 つまり、詩人は画家と共同制作し、音楽家は詩人の書いた詩に曲を付け、マルク、ココシュカ、カンディンスキー、クレ￣などは文学作品も書いた。ヨーロッパ各地で芸術家たちは互いの能力と価値を認め、創作面で協力し合う集団になった」1と語った。 　 このオソテンの言葉を裏付けるように、1919年11月末に編纂された表現主義の代表的な詞華集『人類の薄明』には、同時代の画家によって措かれた詩人の肖像画が何校も収められていた。それについて、編纂者クルト、ピントゥスは「できるかぎり（詞華築に収められたすべての詩人）23名の肖像画を、しかもできるかぎり詩と同時期に表現E義の画家によって措かれた肖像画を掲載したいと考えた。 出版社は（発行を）急いでいたが、それでも我々の世代の情熱的な画家ルートヴィヒ、マイトナーのほか、ココシュカ、レームブルック、シャガール、シーレによって措かれた肖像画とラスカー＝シューラーのR画像の合計14枚を収めることができた」と述べていた。その後、その詞華集の1959年に発行されたペーパーバック版には、（初版に収録されていた0.Th.W.シュタインの「テーオドア、ドイプラー」に代わって）レームブルックの「テーオドア、ドイプラー」、ココシュカの「ゲオルク、トラークル」、アードルフ、デ、ヘルの「クルト、ハイニッケ」、マックス、オッペンハイマーの「アルフレート、リヒテンシュタイン」、シャガールの「イーヴァーンとクレールのゴル夫妻」、クレムの自画像が追加され、合計19枚の肖像画が収録された。