双子を受胎した黒毛和種繁殖雌牛における血液生化学検査値の傾向

摘要

黒毛和種における一卵性双子生産はクローン検定へ の利用等育種、改良に有効である。通常，黒毛和種繁 殖牛における双胎妊娠は，受精卵をマイクロブレード で分割した胚をペアで移植するケースが多いものの， まれに人工授精や1胚移植でも双子が見られることが ある。現在では超音波診断装置の普及により妊娠鑑定 時に双胎妊娠を早い段階で診断することが可能となつ ており，早期妊娠診断は分娩事故防止に有効と考えら れる。一方，妊娠末期の飼養管理は分娩後の母牛の繁 殖性ゃ生産された子牛の発育に影響を与えるとの報告 がある。双胎妊娠は通常の妊娠に比べ妊娠末期に必要 となる栄養量が増える可能性が考えられるものの，黒 毛和種繁殖牛における双胎妊娠時の栄養状態につtゝて の報告は少ない。そこで，本試験では双子を受胎した 黒毛和種繁殖牛の栄養状態について，血液生化学検査(BC)値を用いてモニタリングしたので報告する。