ブドウ板頭がんしゅ病の診断と生物的防除および病原細菌の系統解析に関する研究

摘要

ブドウ根頭がんしゅ病は病原細菌であるがんしゅ形成性Rhizobium vitis(=Agrobacterium vitis，A. tumefaciensbiovar3）によって起こる土壌伝染性の病害で，保菌苗木の流通によって病原細菌の汚染が拡大し，世界中のブドウ生産国で問題となっている．発病すると樹勢低下や枯死を招くが有効な防除法がないため，農業生産者は対策に苦慮している．また，遺伝的多様性に富むRhizobium属細菌の中で，R. vitisの遺伝的多様性については明らかでない．そこで本研究では，遺伝子診断法の開発，病原細菌の系統解析および新規括抗細菌を用いた生物的防除法の開発を行った．