豚への給与栄養バランス並びに飼育環境が 生産成績におよぼす影響

摘要

近年，養豚を取り巻く状況は飼料自給率の向上 を名目とした食品残さや有用有機資源を活用した ェコフィードの開発，環境負荷物質の低減を目的 とした飼育管理技術の取り組みが推進されてい る。これら内容は地球全体を捉えた環境保全内容 であり，環境を意識しつつ，経済的にも負担とな らないで生産量を維持することが命題であり，さ らには生産物の質の低下を招いては本末転倒の結 果となる。教育.研究の現場において，試験的に 行う内容は良好な成績が得られても，生産現場に おいて実践的に役立つ情報の提供とならなけれ ば，やはり机上の空論となってしまう。したがつ て，より実践的な課題に取り組み，結果として基 礎的な知見の報告をすることが家畜飼養の領域に おいては重要となる。学問領域は細分ィ匕され，栄 養，飼料，管理，環境，行動などの専門分野が確 立されてきているが，家畜飼養学領域はこれらを 包含する内容であり，細分化された分野のいずれ も軽視できない。