Pseudomonasaeruginosaのノくィオフィルム形成と抗菌薬抵抗性に関与する遺伝子ネットワーク

摘要

Pseudomonas aeruginosaはcompromised hostにしばしば難治性慢性感染症を惹起する。その主な要因 として，バイオフイルム形成能が高く抗菌薬に対する抵抗性が高いことが挙げられる。近年バイオフイルム 形成のメカニズムについてはquorum sensing (QS)システム（密度感知機構）やcyclic di-guanosine monophosphate (c-di-GMP)等のグローバルレギユレ一ターの関与が明らかになり，また共焦点レーザ一蛍 光顕微鏡を用いたバイオフィル厶内の遺伝子発現と形態的解析が進み，生理的性状の異なる多様な細胞集団 で構成された多細胞生物的な構造を形成することが明らかになつてきた。しかし抗菌薬抵抗性のメカニズム については，まだその詳細は明らかではない。これまでに浮遊状態の細菌は，環境中の栄養源，pH，アル コール，浸透圧ゃ菌体内代謝産物など各種のストレスを感知し，副次的