石川県の農業と土壌肥料－農業における環境保全技術－

摘要

石川県は南側に白山山系，残る三方ほ日本海に臨み，加賀地域と能登地域に大別される．気候区分は典型的な日本海型で，冬季間の降水量が多く豪雪になる年もある反面，対馬海流の影響を受けることから比較的穏やかな気候である．石川県の農耕地面積は44，500ha，耕地率は10.6％（平成17年度）である．このうち37，300ha（83.8％）が水田で，作目でほ水稲が大部分を占めるはか，大豆，大麦等の土地利用型作物を中心に作付けされている．水稲の品種構成ほ約84％を「コシヒカリ」が占めるとともに，「ゆめみづほ」等独自の早生品種を有する良質米産地であるといえる．さらに，水田転作地や砂丘地，中山間地には野菜，果樹，花き等の園芸産地が存在し，日本なし「鞍月」，りんご「秋星」，ぶどう「ルビーロマン」等本県独自の品種を有するとともに，多くの伝統野菜を産するなど，品目は多様である．