多回産卵魚ホンモロコの産卵時期、産卵回数、産卵数

摘要

魚類の繁殖様式は多様性に富んでおり，魚類の増養殖 を行うためには対象種の産卵時期や産卵数などの繁殖形 質を充分把握することが重要である。魚類の成熟、産卵様式を卵母細胞の発達から見たとき，同期発達型， 卵群同期発達型および非同期発達型に分類される。1'3)同 期発達型は一生に1回だけ産卵する多くのサケ属魚類 に見られ，卵群同期発達型は1産卵期1回産卵型と1 産卵期複数回産卵型があるとされている。また，非同期発達型にはサンマColokbis sairaやカタクチイワシ Engraulis japonicaなど1産卵期多数回産卵型がこの形 式の成熟様式を示す。1産卵期に多数回産卵する（バッ チ産卵型）魚の繁殖特性を解明するためには，産卵期間 を通して産卵頻度や産卵数（バッチ産卵数）などを頻繁 に調査する必要があるとされており，対象魚の産卵様 式に合わせた調査を行うことが重要である。