マダイ養殖における実用規模自発摂餌給餌システムの開発

摘要

我が国における海産魚の養殖ほ盛んになってからでも既に40余年が過ぎ，長年の使用により疲弊が進み生産性の低下を招いている漁場も少なくない。また，近年は魚価の低迷が続く中で魚粉価格が高騰し，飼料経費が生産コストの6割～7割を占めるに至っている。魚類養殖を活性化するためにほ，生産コストを抑制し漁家の経営改善を図るとともに，環境へ与える負荷を低減して持続的養殖生産を可能にする技術の開発が急務となっている。海面養殖における給餌のロスは2割以上に及ぶとも言われており，できる限りロスを抑えた効率の良い給餌を行う技術の開発も必要である。この目的に適う給餌法の一つとして，魚の食欲を直接検知して給餌する「自発摂餌給餌法」がある。ここでほ，実用規模のマダイ養殖で使用できる「自発摂餌給餌磯」作成までの試験。開発過程を紹介する。