一地方行政における動物の福祉、愛護対策への取り組み（XII)— 岡山県の動物愛護行政の現状

摘要

岡山県動物愛護センター（以下， 「動愛センター」という.）は，動 物行政を総合的に推進するための 拠点施設として整備された.そし て，明日を担う子供たちをはじめ とする多くの方に動物との「ふれ あい体験」等を通じ，「慈しみ」や「命の尊さ」をはじめ「動物の愛護と適正な飼養」につい て学び，「人と動物が共存できる豊かな地域社会」の実現を目指しているもので，構想から開設までには約14年 間の年月を経て平成17年4月1日から運用を開始した.動愛センターの整備は平成3年の検討委員会設置から 当初は平成9年ォ一プンを目指し，開設当初から十分機 能が発揮できるよう愛護組織として財団法人岡山県動物 愛護財団（以下，「動愛財団」という.）を岡山県を始め 全市町村，獣医師会，獣医畜産事業協同組合からの出捐 で合計1億円の基本財産を得て，事務局を岡山環境保健 所内に置き平成8年後半から活動を始めた.動愛財団設 置の翌年には動物愛護の拠点となる動愛センターの整備 を目指していたが，建設予定地での埋蔵文化財発掘又は 架橋工事などで完成が遅れていった.