屋外環境におけるWBGT計測装置の比較、検討

摘要

【緒言】WBGT (wet-bulb globe temperature湿球黒球温度）は，高温環境の評価指標としてYaglou & Minad (1975)より提唱され，IS07243として基準化されている.わが国ではスポーツ活動時の熱中症 予防のための運動指針や環境省の熱中症環境保健マニュアルにおいて，WBGTは「暑さ指数」として平易 な表現で用いられている.近年，WBGTは熱中症予防の対策として運動場や労働現場および日常生活時に おいて測定されることが多くなり，リアルタイムでWBGTが表示できる携帯型の装置も市販されている. Yaglouらが示した方法では6インチの黒球を用いて黒球温度（Tg)を測定するが，携帯型装置では，3ィ ンチあるいはそれ以下の黒球を用いている.一方，Tgを測定せずにWBGTを予測している装置も見られ る.従って，本来の6インチ型黒球で測定したWBGTと携帯型装置の値を比較検討する必要がある.そ こで本研究は，6インチ型黒球温度計を用いた装置（標準型）と市販されているハンディタイプの装置（携 帯型）を用い，屋外で測定したWBGT値について比較検討した.