農業高校生の農業観と授業評価との関係

摘要

本研究の目的は，農業高校生がもっている農業観と彼らの履修する科目に閲する評価との間に見られる関係を考察することである。 農業観，科目毎の授業の好き嫌い，授業の効果について，山口県下の農業高校生345名を対象にアンケート調査を行った。得られたデータをもとに，農業観の態様と農業高校生の諸属性（性，家業，環境への関心等）ならびに授業評価との関係性について，クロス集計結果の独立性の検定および数量化II類の手法を用いて分析した。 その結果，環境への関心と農業観との間，科目の好き嫌いと農業観との間に強い相関が確認できた。 科目や学科の専門性は，農業観の態様にあまり影響を及ぼさず，「農業基礎」「総合実習」という原則履修科目の評価が農業観の判別に有意であることが明らかとなった。