自覚的敏感肌群のTEWL '発汗量及び皮膚表面粗さ特性

摘要

近年，自分の肌が敏感であると認識している消費者が増加している.本報では質問紙法を用 いて女子大学生の体部を含む肌質に関する意識を調査し，その実態を把握すると共に，自覚的敏感肌群のTEWL 、発汗量、皮膚表面粗さの特徴を検討した. 【方法】まず，20から25歳の女子学生100名を対象に，衣服が接触する体部肌質に関する調査を行 つた.肌質としては，健常肌，不安定肌，敏感肌，高度敏感肌（アトピー性皮膚炎，乾皮症等 の疾患を経験したことのある肌）の4つのタイプのいずれに該当するかを自覚判定させた.こ の結果から，敏感肌および高度敏感肌と認識している被験者5名（敏感肌群）と健常肌と認識 している被験者7名（コントロール群）について，気温27°C,湿度30%RHの条件下で各被験者 の側頸部，肩中央部，後腋部，側胸部，肘窩，前腕内側部における経皮水分蒸散量の測定と皮 膚レプリカの採取を行った.皮膚レプリカは共焦点レーザ顕微鏡で表面粗さを評価した.さら に気温32°C，湿度70%RHの条件下、足部を下腿中央まで40-43°Cの温湯に浸漬させ，側頸部， 後腋部，前腕内側部の発汗量を測定した.