長距離走時の核心温の経時変動と環境温の関係について

摘要

運動時の体温は運動強度に比例して上昇する。その上昇は、環境温度が5°Cから30°Cの範囲内であ れば環境温には左右されないことから、運動による体温上昇は体温調節の失調によるものでは無いと されている。健康管理などの目的で測る体温は、口腔温や腋窩温が用いられることが多いが、より正確な核心温 (Tc)の測定には直腸温、鼓膜温、食道温などが用いられている。近年になって、食道や胃腸内の消化器内でのTcの体温測定が無線技術を使って連続的に測る方法 が考案され、同手法によって、実際のスポーツ活動中のTcの連続測定が可能となった。本研究では、この手法を用いて屋外で長距離走中のTcの連続測定を行い、熱中症予防の一助とす ることを目的として、長距離走時のTcの経時変動と外気温がTcの変動に及ぼす影響について観察を 行った。