攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業——効率的な家畜管理による生産性向上への取り組み一

摘要

わが国の農林水産業、農山村の生産現場では、 農業生産額の減少（図1)''、基幹的農業従事者の平均年齢の高齢化（図2)2'および耕作放棄地の 増大（図3)2)という状況に面している。こうし たなか、第2次安倍内閣は関係府省が連携し内閣 をあげて、幅広い政策分野にわたって必要となる 施策に取り組むとの方針ののもと、「農林水産 業、地域の活力創造ブラン」31をとりまとめ、輸 出促進、地産地消および食育等の推進を図ること としている。農林水産省は、これに先んじて「攻 めの農林水産業」4 >と銘打って、生産現場の潜在 力を引き出しその活性化を図り、農林水産業の中 期的な展望を切り開く観点から、生産現場の強化、 需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築等を 柱に農業、農村全体の所得倍増を目指す政策を 行っている。本稿では、現在進行している農林水 産省の委託プロジヱクト研究の概要とそのなかで 家畜改良センタ一が担当している牛繁殖関連の研 究課題について述べる。