森林施業の助成、規制とゾーニング

摘要

ここでは公的機関が私有林の特定の区域に限定して森林施業の規制や助成を行うとしたら、それはどのような合理的な根拠を持ちうるのかについて検討してみたい。 この検討は、多面的機能に応じた区分というよりも、立地ごとの重視すべき目的とそれに基づく取り扱いに応じた区分といった方が適切かもしれない。 ここでは自由経済を前提とし、木材のような私的財の供給については所有者の判断を尊重しつつ、市場において価格づけられていない環境的サービスの適切な供給をはかるために、必要に応じて規制や助成といった公的関与を行うものと考える。