農業水路への設置を目的とした小規模魚道の開発による環境保全活動

摘要

福井県レッドデータブックに記載された絶滅のおそれのある動物は，287種に及んでいる。 これらの動物の多くは，「里地、里山」と呼ばれる農村地帯の田んぼや小川で，人間の農作奏に合わせた生活サイクルを持ちながら生きてきた。 ところが圃場整備や人間の生活様式の変化などにより，その生活の場を奪われてしまった。 そこで，私たちは水田地帯の魚類に着目し，水路のネットワークを回復（図－1）させ，水田地帯の生態系を保全，復元させるために「小規模魚道」を開発した。 幸い，足羽川堰堤土地改良区連合が，足羽川頭首工の改築に併せて，生態系に配慮した水路の改修を行う計画を立てており，指導をうけながら研究を進めることにした。