光制御による貯蔵ホウレンソウの品質保持に関する研究

摘要

収穫後の緑色葉菜簿への光照射が貯蔵中の品質変化に及ぼす影響を検討し，フイルム包装による目減りとガスの制御を合わせた光照射によるホウレンソウの最適な品質保持法を求めた。 ホウレンソウの光補償点レベルの光合成光量子東密度（PPFD）4pm。 l／が／sと10pmol／／sの光強度で，3波長形白色光とほDを用いた白色光，470nm，591nm，626nm及び660nmの4波長の単色光による光照射をフイルムに密封包装したホウレンソウに対して行った。 包装フイルム内のCO2濃度は，光照射により異なる光質に開齢く低下し，高CO_2濃度維持による品質保持機能が光照射により損なわれていた。 光照射による目減りの増加はフイルム包装により抑制され，商品価値は保持された。 還元型アスコルビン酸含量は，光無照射では4日後に約60％まで減少したが，光照射により80％以上の高い残存率に保たれ，収穫後の光照射がアスコルビン酸の維持に有効であった。しかしほD単色光など異なる波長の光照射によるアスコルビン酸含量への影響は認められなかった。