水稲の長期不耕起移植水田の用水量と均平度-青森県北津軽地域の低平地水田を事例にして－

摘要

青森県北津軽地域の低平地水田において長期6カ年継続した不耕起水田の用水量調査を行い，長期継続による初期潅水量と蒸発散浸透量，圃場の均平度の変化などについて検討した．その結果，1．初期潅水期間の消費水量は，不耕起栽培を長期に継続しても15mm／d程度であり，田植前の潜水期間は田面がかなりの乾燥状態でも6日間程度で十分であること，2．不耕起田の一筆平均蒸発散浸透量は，6年目15．3mm／dで不耕起栽培の継続によって次第に大きくなるが，排水路水位．が高いため急激な用水量の増大にはならなかったこと，3．5mメッシュによる不耕起田の均平度は6作彼の標準偏差が±1．5cmで，不耕起栽培を長期に継続することによる均平鹿の顕著な劣化は意外に認められなかったこと，などを明らかにした．