Weibull分布を用いた積雪の長期継続期間とその初日，終日の解析

摘要

北海道の面積は約8万平方キロメートルにおよび，我が国の重要な農業地帯となっている。はば全域が寒冷な気候帯に属するため，広範囲にわたり秋から春にかけて積雪におおわれる。 長期にわたる積雪の継続は農業生産においても，直接あるいは間接に多様な影響を及ぼしている。 影響の第一は，農耕地が積雪に覆われることによって生産活動が困難になることである。 第二は，積雪に覆われた耕地面は地上観測の気候値と全く異なった環境となり（大沼，1969；近藤ら，1988），越冬作物等の生理，生態やその後の収量に強い影響を及ぼす（酒井，1982など）。 第三は，果樹の幹枝の折損や農業施設の破壊などをもたらす要因となることである（小林，大沼，1963；中川，1965；高橋ら．1981；ト蔵，1986）。 第四は春の融雪，秋の積雪開始時期の変動が栽培計画や管理に支障をきたすなどへの影響である（石田，姫田，1984）。