農協信用事業の展開と独自の資金供給.決済システムの特徴一組合員勘定制度未実施の北海道S農協を対象に—

摘要

北海道の農協では，組合員に财る資金供給、決済シ ステムとして組合員勘定制度（以下，組勘制度）（註1)の採用が一般的である.B召和36年の制度発足以降，北海 道の農協にぉレ、て急速に普及し，平成25年度には113農 協が採用，4農協が不採用とする制度である（言fi).賴でとするS農協は，他の3農協が組勘制度か ら貯金決済制度へ変更したのに対し，これまで一度も組 勘制度を採用することなく未実施のまま現在に至ってレ、 る.詳細は後述するが，S農協はこれまでの信用事業の歩みのなかで，融資の際に貸付金の一部を貯金に振り向け させる方?去で組合員の貯铺城を促し，その貯金を担保 に営農資金，生活資金を供給し，組合員は営農費，家計費を決済するというS農協独自のシステムを構築レ運用している.