カンキツにおけるウイルス及びウイロイドの診断技術の開発

摘要

カンキツ等の苗木について，無病苗確保の観点から，ウイルス、ウイロイドの汚染の有無を簡易，迅速，正確に診断する次の三つの画期的な技術を開発した。①樹体内での病原体濃度が著しく低い果樹ウイルスの検出のための酵素結合抗体法（ELISA）操作の簡易化や高感度検出技術。②遺伝子診断法として，ウイルス、ウイロイドの超高感度検出のワンチューブ、ワンろチップ、イムノキャプチャーRT－PCR法の開発。⑨安定的，半永久的にモノクローナル抗体を産生可能な融合細胞（ハイブリドーマ）を作出し，圃場で簡易診断できるウイルス検定キットの開発。特に，この検定キットは世界に先駆けて開発したもので，平成19年より㈱ミズホメデイーより「SDVクロマト」の商品名で販売されており，圃場で短時間に温州萎縮ウイルスを検出できることで，健全樹への感染拡大が防止出来るようになった。