使用済み農業機械等の廃棄処理の現状と課題

摘要

2000年に循環型社会形成推進基本法が制定されて以降，拡大生産者責任の下での，いわゆる3R （Reduce：発生抑制，Reuse：再利用，Recycle：再生利用）に基づく循環型社会づくりが様々な分野で進行している。 同時に廃棄物処理についても，この循環型社会の枠組みの中に組み入れられ，その適正処理への取組みが法律的な整備のもとで急速に進められている。 農業生産資材は，農用トラクターをはじめとした原動機や耕うんロータリなどの各種作業機のほか，農業用フイルムなどを加えると多種多様に及ぶ。 農業者は，こうした機械や資材の使用者であり排出事業者であるが，農機販売，整備業者がその最終排出事業者になり得る場合もあり，両者は製造者に加えて廃棄処理の適正化率と再資源化率の行方に深く関わっていると言える。