農業撥縛安全鑑定の四半世紀の歩み

摘要

安全鑑定とは，市販される農業機械を対象にして一定レベル以上の安全性を備えているか否かを評価判定するためのいわば“公的”な安全試験のことである。 “公的”とは言っても，製造業者や輸入業者から任意の依頼を受けて行うものであり，強制ではない。 この鑑定は，農業機械化の急速な進展に伴う農作業事故の増加を背景とし，その安全対策の一環として，1976（昭和51）年度に農水省により国の制度として開始されたものである。 その後，1988（昭和63）年度からは生研機構（生物系特定産業技術研究推進機構）における民間団体の自主的制度として引き継がれたが，実質的な変更はなく，そのまま運用され今日に至っている。