ベトナム社会主義共和国と農園芸事情（上）

摘要

ユーランア大陸の東南にミャンマー（旧ビルマ），タイ,マレーシァ，ラオス，カンボジァ，ベトナムの諸国がある。 このうち，ラオス，カンボジア，ベトナムの三国はインドシナ三国と呼ばれているが，かつてフランスの植民地であったころから,仏領印度支那と呼ばれたこともあった。 インドシナ三国とタイ，ミャンマーは，互いに隣接しており，さらに漢民族を主とする北の大国である中国がこれ位かかわって，数千年にわたり，侵し侵され，拡大，縮小が恒常的に行われてきた。 これは，それぞれの国力の消長によるものだが，結果，山岳地帯の少数民族の居住地が複雑に錯綜することになった。 19世紀に入ると，ヨ－ロッパ諸国のァジア侵略により，ミャンマ一とマレーシァはイギリス領に,ベトナム,カンボジア,ラオスのインドシナ三国はフランス領になり，タイのみがかろうじて独立を保った。