中国、長江下流域の施設園芸と野菜事情（下）

摘要

前号では長江下流域の江蘇省無錫，蘇州両市を中心に一般概要，施設園芸,野菜園芸，自由市場の主として野菜部門等について述べてきたが，本号では，上海中央直轄地の一般概要，人口の増大を続ける市の試験研究機関の対瓜新興産地浦東地区の施設園芸，市の野菜供給体制等広範囲にわたって訝査してきたので紹介することにした。 古い歴史を拝っ中国のなかにあって，上海の都市としての歴史はわずか100年あまり，もとは長江の運ぶ土砂によってつくられた江南三角洲の漁村にすぎなかった。 19世紀に入り，中国市場拡大のための足場を求めて進出してきたイギリス人は，上海国際港としての可能性を見いだし，アヘン戦争によって開港させる。 次いでフランス，ァメリれ日本が租界地を築童，東西混交の独特の文化がこの地に作られた。