この子らを農の光に

摘要

「農と障がいのある人の関わり」に関しては，動植物の飼育、栽培が心身を癒す効果があることが認められており，リハビリテーションとして園芸療法の取り組みが従来なされてきた。さらに近年では障がいのある人の「自立の受け皿」としても農に注目が集まってきており，障がいのある人を農業経営体に受け入れるための支援方策を検討する研究等が始まっている。　障がいのある人が地域社会の中で働き，対価を得ることばすばらしいことであるし，障がい者雇用の促進に向けた研究が進められていることば喜ばしいことである。しかし，障がいのある人がただ単に安上がりの労働力として捉えられているとすれば，このことを直ちに評価するわけにはいかない。重要なことは障がいのある人の労働をどのように位置づけているかである。