信頼できる有機農産物等の広がりを目指して－東京都の有機農産物流通推進事業の概要－

摘要

東京都では、平成5～8年度の4年間の調査検討を踏まえ、平成9年4月から本格的に有機農産物及び特別栽培農産物（以下「有機農産物等」という）の流通推進事業を開始した。 平成9年度には「流通協定」（後述）による流通促進事業を開始し、平成10年度からは「流通モデル事業」（後述）による流通促進事業も加わり、現在、これらの事業がますます広がろうとしている。都の専業は、1200万都民のニーズを背景に、都が有機農産物等を積極的に評価し、消費者に商品選択の目安を提供することを基本にしている。 有機農産物等の自主的取引拡大のための情報の提供、協定やモデル事業を通じた物流の推進、信頼性を担保するための残留農薬検査など総合的事業を構築している。 多くの自治体が域内の生産振興施策を基本に構築しているのに対し、都の事業は、消費者の立場から、しかも有機農産物等の全国からの流通拡大を図るための事業であることが他の自治体にない特徴である。