中国国内の農産物流通の市場化

摘要

改革開放後の中国の農産物流通は、市場の自由化が大きく進んだものの、穀物.油糧種子,食用油等と、野菜,果物等とで大きく状況が異なる。現在の中国の農産物流通の現状を、穀物と野菜に分けて詳しく検討する。改革開放前の中国では、穀物、油糧種子.植物油、野菜、豚.豚肉といつた品目ごとに設立された国営流通企業または政府部門そのものにより、直接統制的な農産物買付、運搬、保管、加工、小売(配給)等がおこなわれていた。しかしながら、改革開放後、198o年代半ばには、野菜や豚.豚肉、水産物等、およそ副食品に相当する農産物の流通はすべて自由化された。