金融（信用、共済）事業改革の評価と課題

摘要

6月1日の全中理事会で決定された第24回JA全国大会組織協議案からは、これまでになく関係者の危機感がうかがえる。 ただし、JA改革の直接的な引き金になる可能性は乏しい。 なぜなら、グループ全体の組織や制度の設計変更までは言及されていないからである。現在の組織や制度の構造改革に着手しない限り、改良、改善止まりである。 おそらく、当事者にとっては、必ずしも危機ではなく、まだまだ余裕が感じられるのかもしれない。 だが、グループが成長の踊り場にいるとか、発展途上にあるという認識を持っている者はいないであろう。 今のままで良いとは思ってはいないが、それなりの体系や理念を有しており、どこをどう変えていいのか、次の一手が見つからない。 多分、もうしばらくは大丈夫です、といった程度の認識ではなかろうか。 しかし組織の活力は確実に低下している。 だから、JA、中央会、連合会それぞれが、組合員にとってほんとうに存在し続けるに価する組織である、という認識を持っているのであれば、まだ余力のあるときに、みずからの手で構造改革に着手しなければならない。