新基本法論議と今後の課題 ～農業部会～

摘要

これまでに公表された議事録や新聞報道をみる限り、少なくとも農業部会の議論は収束の方向にあるとはみえない。調査会に先立つ研究会報告ほしきりと国民的合意を強調していたが、調査会、部会内合意さえおぼつかないのが現状でほないか。 にもかかわらずスケジュールだけはどんどん進んでいくとしたら、いったいどんなプロセス、誰のイニシアチブでとりまとめが図られるのか懸念される。意見の対立は図式的には、農業にも市場原理を貫徹させるべきと考える市場メカニズム論と、市場原理を前提としたうえで一定の政策的関与や市場規制を必要とする農業保護論とのそれといえよう。