グラジオラス品種の成立過程に関する研究(1) - 品種成立に関係した原種と交雑の歴史 -

摘要

グラジオラス属はアヤメ科に属し，膜質に覆われた球茎をもつ草本であり，250から300種が知られ ている（図1,図2).ヨーロッパ，地中海沿岸， 西アジア原産だが，多くは南アフリカまたは熱帯ァ フリカ原産である（図3,図4).葉の先が剣の如 く尖っているので，Sword lilyの英名がある.また， 花序が穂状に付くため，古代ヨーロッパではCorn flagとも呼ばれていた.江戸末期に日本に入り，唐 菖蒲またはオランダアヤメの和名が付けられてい る.J. G. Bakerは「Handbook of the Iridaceae」 （1892) の中で，グラジオラスを，草丈が高く直立する Eugladiolus,草丈が低く小型のHebea,および苞が 小さレ、Schweiggeraの3節132種に分類している.