果実の硬さで食べ頃、取り頃を知る技術

摘要

「なんちゅうしょうもないことをしてきたの！ 」これか1年間のアメリカ留学で行った研究の話をした時に返ってきた母の言葉であった．1991年8月から1年間アメリカ西海岸のサンフランシスコに近いデービスでトマトの硬さをはかる技術開発を行った．デービスを中心とした半径100kmは世界の料理用トマトの4分の1を生産するトマトの一大産地である．料理用トマトは生食用よりも硬い．大きなトラックに積まれたトマトが，カーブを曲がる時に道路にこぼれ，路上でテニスボールのように跳ねるのを見て驚いた．「トマトが硬い！ 」．料理用トマトは煮ても形崩れせずホールトマトとして缶詰で売られている．また，これらのトマトからケチャップやトマトジュースが作られる．しかし運ばれてきたトマトの硬さがバラつくとケチャップなどの品質に影響するので，「トマトの硬さを正確に測定したい」という要望があった．