青果物における規格外品の新たな活用 一農業生産法人こと京都（株）の取り組み一

摘要

一般的に農産物の規格には次の2つの意味合いが 含まれている.一つは生産や消費に便利なように農 産物に対して定めた「標準化」であり，もう一つは 生産者や産地が他の生産者，産地との商品的相違を 示す「差別化」である.そして通常，農産物の規格 は，品目ごとに設けられている.たとえば，葉ネギの場合，その長さや茎の太さ， そして秀、優、良などの基準がある.それは形状や 荷姿などの外観規格であり（撟本2012)，産地から 卸売市場等へ出荷する際に用いられる規格，すなわ ち出荷規格でもある.卸売市場における出荷規格で あるため，その規格は，食品スーパーや量販店で販 売される一般消費者向けのものから，レストランや 給食などの業務向けのものまで，様々な需要者とそ の用途に使えるものでなければならない.したがつ て，一般農産物の規格化は，特に流通過程における 汎用性の高さに依拠しているといえる.