植物の根に関する諸問題〔191〕モモの果肉障害'赤肉症'の発生について一特に根量との関係について

摘要

近年，国内のモモ栽培では成熟果実の果肉が赤く なる"赤肉症"（あかにくしょう）の発生が問題に なっている.本障害は，地上部の器官である果実に 発生する障害であるが，地下部との関係が深いこと が，調査を進めるうちに明らかとなってきた.そこ で今回は，"赤肉症"の概要を交えつつ，障害発生 と地下部の成長の関係について紹介したい."赤肉症"は，岡山県下のモモ栽培で特に問題と なっており，成熟果実の果肉が赤くなる症状を呈す る障害である（図1)."赤肉症"の発生した果実 (赤肉果）は視覚的に劣るだけでなく肉質も粗いため，巿場での評価が低下する(大西1999).